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手彫りのこだわり



古都金沢で創業140年のツルミ印舗は、「完全手彫り」にこだわるはんこ屋です。

ツルミ印舗はどうして完全手彫りにこだわるのか。その理由をお話します。
はんこには、しかるべき役割があります。「印を捺す」ということですが、そこにはとても深い意味があります。


書類にはんこ(判子)を捺すということは、「書いてある内容を認めた」、もしくは「内容を確認し、これでOKである」ということ。
つまりその本人の唯一無二の証。今風の言葉でいえば「認証」ということになります。ましてそれが実印(印鑑証明証付)であるなら、法律上からも捺印してある書類はとても重要なものとなります。

はんこの歴史は古く、世界で五千年、「漢委奴国王印(かんのわのなのこくおういん)」として知られる日本で出土された金印も、二千年の歴史があると言われています。
私たちの先達は、このはんこの文化をさまざまな形に磨き上げ、
今日まで大切に受け継いで来ました。
日本のはんこ文化は、世界の頂点を極めていると確信します。

それほど大切なはんこが「機械で彫ってあるとしたら」どうでしょう。
機械で彫っても構わないと、お思いの方もいらっしゃるかもしれませんね。

じつは「機械で彫るはんこ」とは、「同一の鋳型」のようなもの。
同じデータを入力すれば、同じはんこを幾つも作ることが出来るのです。
本来の意味からすれば同一のものが量産できる捺印に意味は無く、朱色で捺してあればそれでよいことになります。
これでは、唯一無二の認証としての、はんこの価値はありません。

はんこは「手で彫るから」意味があるのです。


一目でわかる「手彫り」と「機械彫り」の違い。



ツルミ印舗のはんこ彫刻人は、はんこを彫って40年を超える一等印刻師。現代を代表するはんこの名匠です。
(※一等印刻師とは、日本のはんこ彫刻の第一人者だけに与えられる匠の称号)
ひとつひとつの文字の特徴を最大限に生かせるよう、工夫して文字を彫刻しています。
文字には流れがあり、躍動感があり、捺印するたび思わず微笑んでしまう。そんなはんこ見たことがありますか?

ツルミ印舗では、ご注文いただいてから文字の字源(起源)を一文字づつ調べ、
それを基にはんこの文字を意匠としてデザインします。
文字には相性がありますが、手彫りの技があるからこそ、どんな意匠も自在です。
いわゆる機械がドリルで削る、機械彫りでは到底真似はできません。

下の写真は「完全手彫り」と「機械彫り」のサンプルを並べたものです。
向かって左が機械彫り、右が完全手彫り。
風格の違いが、お分かりいただけるでしょうか。



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それでは論より証拠。機械彫りと手彫りの違いを、じっくりと見比べてみてください。

  
          左/機械彫り                         右/完全手彫り


左の機械彫りは、はんこ底の部分が均一に彫られているので 、一見するとキレイに見えますが、
この均一さこそが機械で彫刻した印しです。
手ではんこを彫る際には、右のはんこのように底の部分にチリメン模様の彫刻刀で彫った跡が残ります。
この跡が手彫りの証です。
また機械彫りの文字をよく見ると、彫ったままのバリのような彫り屑が残っています。
これは仕上げ作業をしていない、安価なはんこによく見られます。
完全手彫りのはんこでは、まずありえません。

手彫りはんこの方には一部に赤く朱肉が付いていますが、文字に太・細の動きがあり、
枠に接する部分は文字の勢いを変えないよう細部の仕上げが施されています。
細い箇所も角度を付けて彫ることで(機械彫りでは不可能)、細くとも丈夫さを保つように工夫されています。

  
  
        左/機械彫り                  右/完全手彫り


この二つの捺印は、同じ名前を同じ篆書体(てんしょたい)という書体にて彫刻しています。

捺印して比べると一目瞭然。
1.枠の太さ  2.文字のバランス  3.文字の躍動感(勢い) が雲泥の差です。

機械彫りの方は枠(わく)が太くて見栄えが悪く、雑に見えます。
文字にも勢いがなくガタガタと見える。彫刻面もガタガタなので、朱肉がキレイに紙に写りません。

完全手彫りの方は文字にスッとキレがあり、はんこの中いっぱいに勢いよく文字が配置されています。
文字がスカッとして見えます。

完全手彫りの場合は文字を直接材料に 書き込みます。
一度で書き上げることは少なく、微調整を繰り返し、文字の精緻なバランスを整えた上で配置します。
また直接手で文字を彫るので、機械には出せない繊細な筆(線)の勢いを、 再現することができるのです。


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手彫りには美しさと、先人の叡智が結集しています。

  
文字を書く前の段階「字割り」                文字を書く前の段階「字割り」

  
文字を直接材料に書く「字入れ」              微調整を繰り返し文字デザイン完成 

  
彫刻刀で文字を彫る「荒彫り」                荒彫りした材料を「仕上げ」


● 手彫りには流れるような美しさがあります

機械での彫刻は、文字に躍動感がなく、ただ文字を並べただけのはんこでしかありませんが、
完全手彫りのはんこは、文字そのものが生き生きとした勢いが現われます。



それが手彫りの証。

小さなはんこの中に、躍動感のある美しい文字の世界が広がります。
たとえ機械に職人が文字を書いても、その勢いまでは表わせません。
完全手彫りには、人が手で彫るから到達する、奥深い領域があるのです。


● 二つと同じものは作れません

機械彫りはコンピューターのドリル彫刻。同じデータを使えば、同じはんこが量産できます。
これに対して完全手彫りの場合は、初めから手で文字を書き、手で彫刻して、 手で文字を仕上げます。

そのため線の太さやバランスなど、同じものは二つと存在しません。
さらに手彫りは、耐久性においても優れています。



機械は上から(垂直にしか)彫刻できませんが、手彫りの場合は彫刻刀を
巧みに斜めに動かして彫ることにより、細くて丈夫な線が可能で、文字や意匠を巧みに際立たせます。
また象牙や水牛など材料の違いを見極めながら、彫刻の力加減もコントロールしています。


● 捺すのが楽しくなるはんこに

ツルミ印舗は創業以来140年に渡り、はんこ彫刻の腕を磨いてまいりました。
その間、時代とともにはんこに対するご要望も大きく変化しました。
安価な機械彫りや既製品など、それはそれで時代の流れなのかもしれませんが、
ツルミ印舗は、先人が伝えてくれた手彫りを大切に継承して行きたいと考えます。



たとえ時代が変わろうと、変わらないはんこ作り、守り伝えて行きたいはんこの文化があります。

唯一無二の証だからこそ、完全手彫りにこだわる。
一生お使いいただくはんこだからこそ、印章に真心を込めてお作りする。
お客さまが、捺すのが楽しくなるはんこをお届けする。

それがツルミ印舗のはんこの流儀です。


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